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旅の番外編

ふと気が付けば、刺激ありまくりのフランス・スペインから戻って2か月経ってしまったのか。 偶然見つけた↓このページを読んで、フランスの「ザ・適当」な所にふむふむ納得しまくりだったので、約2週間の珍道中を少し振り返ってみようかなと。

今回は羊の牧場視察の為の旅なので、その報告はまた後日発表する場もあるので、こちらでは番外編を。

出発前あまりにもバタバタしていたので、フランスの知識といえば、英語があまり使えないらしいよ、トイレが有料らしいよ、左ハンドルらしいよ…というお粗末なレベルで旅立った私達。 早朝のパリに降り立った、迷える仔羊2人。 その日宿泊予定のホテルに荷物だけ預けて、フロントの「チッ…出てってくれよ…」的な冷たい視線に耐えかねてパリの街に放たれる。 (後で知ったけど、ちょうど先日のテロ事件の現場のすぐ近くのホテル!おー怖。)

7時、8時、日本ならすっかり明るくなる時間でもまだ真っ暗。9時でも真っ暗。

おい、太陽はどこへ行った。

12月のパリは寒く、12月の北海道の恰好で臨んだのにひたすら寒く、朝が早すぎてどの店も開いてないのでひたすら歩いて歩いて街をさ迷い、ようやく開店したばかりのカフェへ逃げ込んだ。

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何コレ!クロワッサン、うまー!エスプレッソ、うまー! 冷え切った体に染み渡る、おフランス初の食べ物がコレ。 カフェの店主に、私がこれから行きたいところの地図を指さしてどうやって行けば良いのか聞くと、カウンターに座っていた女性(お客さん)が、多分出勤前の忙しい時間のはずなのにゆーっくりゆーっくり道順を教えてくれて、フランス語分かんないって言ったら頑張って英語で教えてくれて、実際英語もイマイチよく分かんなかったけど(笑)、どうやらメトロでこの駅で降りて次にこのホームからこっちに乗ってどこで降りて…と言ってくれてたんだろうけど、メトロは怖いから嫌!と言えなくて(笑)、「とにかくメルシー!」と笑顔で別れた。 真っ暗な街にはいたるところに巨大ゴミ箱があって、人々はまだ動き出さないうちからゴミ収集車や歩道を掃除する不思議な車(ブラシが回転して歩道のゴミを吸い込み、水をまいてキレイにする)があちこち出現。 これはフランス各地で見たけども、とにかく歩道は汚い。ゴミがわんさか落ちている。

1日でたまったゴミは、毎朝人々が動き出す前にこれらのゴミ掃除の為の車が動き出してさっさと片付けて行く。

フランス人は(スペインも凄かった!)すぐにゴミをその辺に捨てるけど、それを拾う仕事があり、ホウキで掃くのが専門の仕事もあり、収集車に乗るのが専門の人…それぞれ分担があって、そして彼らは皆公務員なんだそうで。

彼らの仕事を与えてあげる為に、自分たちはゴミを捨てるんだと、そういう考えなんだそうで。

皆がごみを捨てなくなると、彼らの仕事がなくなるから駄目なんだとΣ(꒪д꒪;)。

すごい無理やり感があるけど、確かにナルホドというカルチャーショックを受けた。

さて、歩けど歩けど寒いので、また道端のカフェでスープを飲み、パン屋さんを覗き、道行くパリジャン・パリジェンヌの美しさに「ほうううう」とため息をつきながらしばらく街歩き。 何?このパンの美味しさ! そして皆さん美しいわ。惚れ惚れするわ。 年配の方が恰好良すぎるわ。

こんなに寒いのにカフェのテラス席で食事する人があまりにも多くて、飲食店盛り上がってんなーと感心しつつ、朝も昼も夜もテラスでワインを飲んでいる人を見て、「仕事は?」て心配してしまうほど。

現地でお世話になった人の話によると、フランスのお昼休みは長いらしい。

スペインはもっと休みまくりだと聞いた。

午前のおやつの時間、お昼の時間、午後の休憩の時間、夕方も明るいうちから飲みに出て…という感じw

アルコールを飲んだ後の午後の仕事も全然OK。 そもそも飲酒運転OK。

小学校のお昼休みも、一旦家に帰って食べる子が多いらしい。

学校で給食を選ぶこともできて、そういう場合はちゃんと前菜からメインまで一皿一皿順序良く出てきて、そして勿論ナイフとフォーク。

小さいころからコレを刷り込まれていくから、みんなテーブルマナーが当たり前に身に付くよね、そりゃ。

学校の話といえば、なんせバカンスが多いらしく、親は大変なんだって。 大人社会でもバカンスはたっぷりあるので、どんな職種の人でもバカンスの為にせっせと働いて(いやそもそもフランス人はあまり勤勉さが全くなかったけどww)、それは農家の人も一緒で、バカンスは家族でどこかへ出かけるというのが当たり前。

ON、OFFがはっきりしていて素敵。

企業戦士と言われる日本人、働き過ぎだよ日本人。

地方の小さな街に行ってもカフェは必ずあって、そこには必ず地元の人が沢山来ていた。

シワシワのおじいちゃん・おばあちゃんも沢山。

これもフランスの面白いところで、お年寄りもいつも外食するんだそうで(スペインもそうだった)。

カフェで楽しそうに会話しているお年寄りは、孤独死が社会問題になっている日本が見習うべき姿だと思った。

ま、そもそも外食できるということは生活レベルがそこそこあるという事で、つまりは福祉が整っているフランスならではというか。

現役時代は凄い税金を払う訳だから、将来安心して暮らすためにそこは当たり前という考えらしく、お年寄りは何の心配もなく暮らせるという訳ね。

さて話はパリ市街地に戻って。

てくてく歩いていると(1人は松葉杖で必死)、ふと女性3人組が私に新聞か雑誌を売り込むような仕草を見せてきたので、「いらんいらん」と無視していると、次はオットの方に行って3人で取り囲み、あろうことか「ザ・強奪」的な堂々たるスリ(;OдO)。

えっ?こうやって盗っちゃうの!?と私も凝視しちゃうくらいで、オットも松葉杖で両手が使えないし、「へ!?」的な(笑)。 近くの通行人の方が追っ払ってくれて、おまけに「ちゃんと大事なものは肌身離さずしっかり持っとけよ!」的なアドバイスをもらい、幸い被害もなかったので一安心。

聞けばもっとあからさまな強奪もあるようなので、まだ可愛い方だったのかも。

街中で平気にiPhone出してる無防備な私も、無事だったのは運が良かっただけ。

リヨンからスペインに入るまで借りたレンタカーも、駐車する度にカーナビ含めカバン類は全部身に付けるのも面倒だったけど、そういう国なんだな…と諦めて予防に徹した。

車と言えば、松葉杖のオットが頑張って左ハンドルで運転してくれたけど(左足の怪我だけどオートマ車だったので)、とにかく慣れるまで冷や汗かきまくりの「オレ、足汗スゴイ!」ってひたすら叫んでいた。

「えー、やめて、臭いから!」と助手席でたまに居眠り状態の私は好き勝手言ってたけど、平気で130キロ以上飛ばす車の間を運転するのは、かなり恐ろしいもんだったらしい。

交差点は必ずロータリーになっていて、その仕組みに慣れるまでこれも大変。

市街地には時々スピード制限の意味をこめて段差があって、突然「ガッタン!」と車が浮いたり。

道路の両脇は路駐できるスペースがずらーっと並んでいて、人々は絶妙なテクニックでその間に車を停めていく。

車の前後は5cmとか10cmとか、あり得ない近さで。

出る時はどうするのかというと、前の車にぶつけてグググ…後ろの車にぶつけてグググ…ハンドルを切って脱出。

車はぶつけてナンボ、らしい。

新車買った人はどうしてんだか。 レンタカーを借りる際に一緒にお願いしたカーナビは英語で話しかけてくれるんだけど、これがどうも意志を持ってるんじゃないかと思うくらい、私達を翻弄してくれた。

絶対この道じゃない!という道でも、「turn right!」と自信満々。 言われた通り右に曲がって迷うww 車が通れないような狭すぎる道へ誘導され、「もう完璧違う!」という事が1度や2度じゃない。

「絶対バカにしてる。私らを弄んでる。」と最後の方は彼(カーナビ)を信じない事にした。 途中何度か連泊することはあっても、殆ど毎日が移動だ。 荷物を出しては片付け…の繰り返しで、日に日に膨らんでいく荷物との格闘。パズルのように。 ワイン、チーズ、こっそりサラミ。どんどん荷物が増える。

肌着類は最小限の数だけ持って行ったので、途中途中で手洗いして干してたんだけど、あるホテルでいつもの通り洗濯しておパンツ類も干していると、頼んでいたワインオープナーを持って来てくれたフロントの男性が、なぜだか分かんないけど「今開けて。すぐ返して。なんなら私が開けてあげようか?」と部屋の中に入ってワインを開けてくれるんだけど、部屋中に干してる洗濯物、アナタのその頭の上すぐに私のおパンツ、見えてるんでしょ!?見えないフリしてるけど、ハッキリ見えたでしょ!と言いたくても言えず(笑)、ただたださっさと出てってくれないかと祈り続け、後ろ姿に「メルシー!」と言い放ってガックリきてしまった。

バスク地方に来て、フランスバスクからスペインバスクに渡るのはレンタカーの関係もあって電車だったんだけど、乗り継ぎの為に降りるべき駅に着く前になぜか電車が止まり(最終駅と言われた)、ホームで佇んでいると駅員さんが寄ってきて「こっちにおいで。」と。

改札口を出て、「タクシー代わりにその駅まで乗せてあげるよ。」と言われる。

アヤシイ…新手の誘拐か!?信じていいのか?と伺っていると、女の子も1人その場にいて、その子は英語で「私も一緒に行くから大丈夫!」と言ってくれた。(この辺の会話は、多分そんな感じの事を言ってたと思う…レベルの解読力w)

ちょっぴりドキドキしながら車に乗り込み、橋を渡ると「ホラもうここはスペインだよ♪」と教えてくれた。

そしてすぐに目的の駅に到着し、なぜそうなったのか分からないままお礼を言って車を降り、乗り継ぎの電車に無事乗って、スペインでお世話になる通訳さんと会う事が出来た。

そうそう、スペインで訪問した羊農家さんで1人面白い人がいて、どこの牧場に行っても「産子率はどれくらい?」と聞いていたんだけど、普通は「1.5」「1.8」という数字ですぐ答えてもらえるのに、スペインバスクの兄ちゃんは「…え?うーん秘密♪」とニヤッと笑い、「いや、計算して大体の数字で教えて。」と聞くと「う~んとね、1頭か2頭♪」というめちゃくちゃな答えが返ってきた(笑)。

つまり、計算した事ないってことねww この人は新規就農でたった1人で牧場を切り盛りしていて、夏には羊と一緒に山に籠り、山の上で乳を搾ってチーズを作るという。

まさにハイジの世界。 衛生的に大丈夫なのか聞いたけど、山の上にも一通りの施設があるらしい。

そしてやっぱり、山で絞った羊乳のチーズの方が美味しいんだって。

そこのお家で見せてもらった、可愛いバスク豚の赤ちゃん↓。激カワ。

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こちらは、フランスのスーパーで見かけた夢に出そうな恐ろしい人形↓。

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フランスバスクで偶然通りがかった、気球みたいな紙風船(?)のお祭り風景↓。 一斉に200個の風船が夜空に舞って幻想的だった。

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スペインバスクで見かけた、体に悪そうなケーキ↓。

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こちらは、チーズケーキで有名なバルのカウンター風景。 後で通訳さんにここのレシピを教えてもらい、自宅で作ってそのあまりの分量の多さに愕然ww だって、1ホールにクリームチーズ1㎏だもの!

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私はこの旅で確信した…フランスに住める!って。そしてたまにスペインに遊びに行ってバル巡りしよう。 「だってフランス人だもの」ですべて片付いてしまう、この大らかさが好き。 コピーロボットがいればなあ。

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